変わるMEIJI
変えるMEIJI

時代に応じて、変わり続けてきた明治大学。そんな明治大学で働く職員は、明治大学をどう見つめ、これからどう変化させていくのでしょうか。社会的な課題、大学業界を取り巻く課題にも触れながら、明治大学の未来について語っていただきました。

MEMBER PROFILE

藤田 直樹

教学企画部 教学企画事務室
2004年入職
明治大学 政治経済学部出身

朝生 紫乃

学術・社会連携部 社会連携事務室
2008年入職
東京外国語大学 外国語学部出身

朝烏 修平

経営企画部 広報課
2015年入職
明治大学 法学部出身

いま、
変わろうとしている
明治大学。

現在の部署で、みなさんが挑戦していることを教えて下さい。

藤田:教学企画事務室では、明治大学の将来像(ビジョン)を「グランドデザイン2030」として発表しました。この達成のために、学長の下にプロジェクトチームを発足し、検討を進めています。また、新型コロナウイルス感染症の流行下での対応についても、授業運営方針や学生への支援策など教学における課題について、関係部署と協力し施策を協議・実行してきました。目の前の課題と、長期的な課題の両方に目を向けるのは難しいです。社会情勢や学内外のさまざまな声や意見をきちんと把握することを心がけています。

朝生:私の所属する社会連携事務室は、「明治大学の知」を社会へ還元することが大きな目的です。現在は明治大学が運営する生涯学習講座である「リバディアカデミー」が20周年を迎えたのを機に、改めてすべての講座を見直しているところです。現代の社会が求めている「学び」とは何か、原点に立ち返って議論し、模索しています。

朝烏:広報課の役割は、明治大学のさまざまな魅力を世の中に効果的に発信して、価値を高めることです。世間一般的に明治大学は「キャンパスが都心にあって就職実績が高い大学」というイメージが強いですが、他にも伝えるべき魅力がたくさんあります。その一つが「研究力」。たとえば、折紙工学や電気味覚など、世界に先駆けて成果を出している研究分野も少なくありません。私は、明治大学の研究力を、受験生だけではなく、企業や研究機関にも工夫して発信し、社会との繋がりを強めて、発展させることが大切だと考えています。

藤田:こうして話してみると、どの部署も明治大学の未来のために、答えのない課題に挑戦していますね。

朝生:たしかにそうですね。社会のニーズを鑑みながら、未来のターゲットとなる人々へ、これから明治大学はどういうスタンスを取るのか、どんな状態でいることをベストとするのかは、どの部署も常に考えているのではないでしょうか。


これからも
ずっと変わらない
強みもある。

明治大学職員として、改めて明治大学の「強み」はどんなところにあると思いますか?

朝生:明治大学の強みは、幅広いコンテンツ力にあると思います。「就職の明治」「スポーツの明治」などとして知られている明治大学を、先ほど朝烏さんは、「研究の明治」の側面も今後アピールしたいとおっしゃっていました。どの側面にも魅力が隠れているのは、総合大学ならではの強みですよね。

藤田:10の学部、16の研究科があり、学部や研究科、分野の枠を超え連携した教育プログラム、社会人向け講座などを都心で展開できることは本学の強みです。「研究の明治」としても必ず打ち出せると思います。また、私立大学では珍しく、農学部が設置されているのも強みと言えます。それから、研究の魅力をSDGsなどの現代社会のテーマと紐づけて「Meiji.net」で発信しているのは、社会とコミュニケーションを取ろうとする、前向きな姿勢が表れています。

朝烏:そんな総合大学だからこそ、多くの卒業生が世界中で活躍しています。全国どこへ行っても、どんな会社を訪問しても明治大学の卒業生に出会う気がします。これはつまり、明治大学があらゆる場面で幅広く社会に貢献できる人材を育てていると捉えても良いかもしれません。社会的な評価も高いことは大きな財産ですよね。

藤田:「変化」のキーワードから考えると、情報コミュニケーション学部、国際日本学部、総合数理学部と、学部の新設を続けて行いました。社会の動きとしての「国際化」「IT化」をいち早く教育現場に取り入れ、明治大学として行動を起こしてきたのです。現在、大学院では研究科の枠を超えた「現象数理・ライフサイエンス融合教育プログラム」も展開しています。今後も他大学に負けないよう、その勢いを止めてはいけません。

朝烏:新型コロナウイルス感染症の対応のために本格的に始まったオンライン授業も、そのノウハウを「国際化」「少子高齢社会」へどう活用するのか考えている段階です。明治大学は、解決すべき課題の一歩先を考える大学なのだと思います。そのため、他大学に参考にされたりすることもありますよね。だからこそ、業界内外問わず情報収集し、勉強する姿勢を忘れないようにしなければなりません。


明治大学は、
まだ
変わり足りない?

明治大学は、
まだ変わり足りない?

一方で、明治大学が必要としている「変化」はなんだと思いますか?

朝生:課題を感じるのは、大学の情報を一元管理できていない点です。せっかく社会に還元されるべき資材や魅力的なコンテンツが潤沢にあるのに、情報の発信のスタイルは学部や部署によってバラバラ。それでは受け手にわかりづらく、魅力を伝えきれないと思うのです。コンテンツを充実させることと並行してどうすれば効果的な発信ができるのかを考え、情報整備を進めていくべきだと思っています。

藤田:組織のあり方として、今後はもっと横のつながりを強くするべきです。社会を取り巻く問題はもう、一つの学部・研究科・事務室だけで解決できるものではありません。新型コロナウイルスへの対応では、前例のない課題に各部署が意見を出し合いながら、ベストな方法を探求することができました。このような事例を活かして、部署や学部・研究科の枠を超えた連携を大切にしていきたいです。

朝生:情報を管理する仕組みにしても、組織にしても、新しい時代に適応してより効果的な連携の方法があるはずですよね。

藤田:そうですね。世の中に明治大学の魅力を伝え、本当にマッチした学生を受け入れるためには、社会のニーズにあった対応力や、他大学に先駆けた取り組みなどが大きな武器になってくると思っています。コロナ禍での創意工夫を活かしながら、個人ではなくチームとして、新しい時代を切り拓いていく必要がありますね。

朝烏:私は、これからの明治大学には「やめる力」が必要だと思います。新しいことにどんどん挑戦する明治大学ですが、一方で収入や人員には限りがある。今後、本当に力をいれるべきことは何なのかを常に考えて、自分たちの取り組みを見直し、効率化や廃止をしていく風土をつくることが大切だと思います。

朝生:「やめる」って実は難しいですよね。しかし、明治大学の「どんなことにも挑戦できる総合大学」という強みを最大化するためには既存のものに対する「変化」を受け入れる勇気が必要不可欠だと思います。


変化の先にある、
未来の明治大学。

みなさんの思い描く、
10年後・20年後の明治大学はどんな姿ですか?

朝烏:大学や大学院は、まだ若い世代のものであるという認識は根強いですよね。今後、オンライン授業の推進や生涯学習の発展により、社会人やシニア層も今以上に大学を利用し、どんな人でも学びを楽しめる場所になる時代がやってくると考えています。テクノロジーを活用して、職員として学びのサポートを効率的に提供し、そして学生たち自身も、世代や所属の枠を越えてお互いから「学び合える」明治大学を作っていきたいと考えています。

藤田:明治大学はこれまで、建学の精神である「権利自由、独立自治」を体現した多彩な人材を輩出してきました。20年後も、時代に対応した教育を提供するとともに、教育の基盤である研究を推進し、建学の精神を体現した人材を輩出し続けていることを思い描いています。そのために必要なのは、学生を含めて、大学を構成する一人ひとりがそれぞれの個性を磨くこと。自分自身も主体性を持って、新しい取り組みに積極的に挑戦していきたいです。近い将来、VRでキャンパスツアーを実施したり、オンラインツールのさらなる活用により、学生や教員、他大学や海外の大学との交流ももっと活発になると考えています。

朝生:明治大学は「個」を強くする大学。いつの時代も、どの分野で学んだとしても、社会情勢の変化について自分の頭で考え、たくましく前へ進んでいく人材を輩出できる、そんな大学でありたいと考えています。そして教育の基盤となる研究力を蓄え、その研究成果の発信を推進するなど、一朝一夕にはできない「明治大学」というブランド力をさらに高めていくことを思い描いています。

朝烏:20年後と言えば、仮想空間と現実空間が入り混じった、まったく新しい社会になっているように感じます。そんな時代にも、明治大学の強みを最大限に社会に還元し、これまで以上に幅広くて強い連携を取りながら、大学の新しいスタンダードを生み出していきたいですね。

お話、ありがとうございました。